Vol.10 1ミリ単位にこだわった塗膜技術で、屋上やテラスを美しく仕上げる。

ウレタンゴム系塗膜防水工事作業 三好 啓一さん

防水施工技能士 1級
ウレタンゴム系塗膜防水工事作業
(平成24年度取得)

三好 啓一さん

1973年生まれ

株式会社リフォームアップ所属

防水施工技能士とは

ウレタンゴム系塗膜防水工事とは、建物の屋上やベランダ、バルコニー、テラスなどの屋外部分の防水力を高めるため、ウレタン防水材を塗布し、塗り重ねて適切な膜厚に仕上げていきます。
ウレタンゴム系塗膜防水工事技能士とは、そのような工事を行うための技能や知識を有する技能士です。

三好 啓一さんのお仕事

三好さんは、マンションなどの集合住宅を主に担当されており、新築から改修まで幅広く物件を手掛けています。20棟ほどのマンションが立ち並ぶ団地を担当したこともあり、そういった規模の大きなところでは1~2年に渡って同じ現場に携わることがあります。

ウレタン系塗膜防水工事の仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

写真:三好 啓一

父親が建築の仕事をしていたので、幼いころから建築というものが身近にあり、以前は私もそこで働いていましたが、20代後半になる頃には、親元を離れ自らの力を試したいと思っていました。そう考えていたところ、共通の趣味を通じて今の社長と知り合って防水施工の世界の話を聞き、魅力を感じるとともに自身のステップアップのチャンスだと思い、防水施工への転職を決めました。

技能士資格の取得までの経緯を教えてください。

写真:三好 啓一

防水施工への転職をしてから4~5年が経ったころ、とあるマンションの現場で一緒に働いた職人さんの、非常にレベルの高い防水施工の技能を見て、私はカルチャーショックのようなものを受けると同時に、ウレタン系塗膜防水工事の奥深さを知りました。

その現場をきっかけに、私もそういったレベルの高い防水施工を目指すようになり、自身の仕事を一から見直して日々鍛錬を積んできました。また、技能向上の一つとして、技能士の資格も取りたいと思うようになりました。

技能士を目指すようになってからは、試験のDVDを見ることで具体的な流れをイメージするなどの工夫をして、仕事にも取り組むようになり、そういった努力の甲斐もあって、平成24年度に無事1級の資格を取得することができました。

1級の資格を取得して、何か変化したことはありますか?

自分自身の中で、1級技能士としてのプライドを持った仕事をしようという意識を持つようになり、今まで以上に引き締まった気持ちで仕事に打ち込んでいます。

お客様に1級技能士として期待をして頂けるように、常に見られている立場にもなったと思うので、より良い仕事をお届けしようと責任を感じるようにもなりました。そういった意味では、資格を取って満足するのではなく、次に繋がっていく資格であると思います。

また、試験のおかげで建築全般の知識が広がり、防水施工以外の方の見解を理解できるようになってきたことも、仕事をする上でプラスになっています。

お仕事の中で、特に心がけていること・気を配っていることを教えてください。

写真:三好 啓一

常に自分に「本気なのか」「これで良いのか」と問いかけて、妥協のない仕事を心がけています。

私たちの仕事は、見栄えだけを整えて1年や2年持てば良いものではありません。10年、15年と使っても、しっかりと残っていることが大事になってくるので、少しでも気の抜いた仕事はできないと思っています。

実際にお客様が住まわれて使うことを考えると、目に見える部分をきれいに仕上げることはもちろんのこと、目には見えない接地部分にもこだわった仕事をこれからも届けていきたいです。

お仕事の中で、大変なこと・苦労することがあれば教えてください。

写真:三好 啓一

屋上・ベランダそれぞれに共通することでは、その日の気温や湿度、建物の温度によって、建物と防水材の接地具合が変わってくることです。接地面が結露していると、固まったものがすぐに剥がれてしまう原因になるので、専用の測定機器を使って常にチェックをしています。

屋上は雨が降ってしまうと、作業が進められないこともあるので、天候も気にしながらスケジュールを調整し、その時々の状況によってベストが尽くせるように努めています。

ベランダは排水の関係で傾斜があることが多く、その傾斜具合は建物によって変わってくることも苦労する点の一つです。そういったケースでは、材料の配分や道具を工夫し、傾斜があっても厚さが均一になるようにしていきます。無事仕上げられた時は、難しい分やりがいを感じる瞬間でもありますね。

三好さんがお仕事の中で「輝いている」と感じる瞬間を教えてください。

接地面などの見えない部分の下地固めが完了し、仕上げに入っている時は輝いている実感があります。

仕上げ直後の材料がまだ固まりきっていない一面は、まるで湖のようにきれいで、その景色を見ることができるのは、この仕事ならではの冥利でもあり、非常に達成感があふれます。

ウレタン系塗膜防水工事の技能向上のために、日々努力されていることを教えてください。

実際の現場で見た他の職人さんの良い技能を、自分でも再現しようと思って取り組んでいます。見て技を研究することもあれば、聞いて技を理解することもあるので、他の職人さんとのコミュニケーションを大事にし、そこから吸収できるようにしています。

この仕事は何よりも経験がものを言うので、過去の現場で学んだこと、今の現場で学んだことのすべてを次に活かしていくことで、精度やスピードの向上に繋がっていると思います。

三好さんの今後の夢や目標を教えてください。

今後は、会社の若い人たちを一流の技能士に育てていくことが目標です。そのためには私も向上心を忘れずに技を磨いていき、お互いに刺激し合える関係になっていくのが理想です。

そして、私が若い頃に衝撃を受けた職人さんのように、今度は私自身が若い人たちに衝撃を与えられるような職人になっていきたいです。

最後に、これから防水施工(ウレタン系塗膜防水工事)技能士を目指す人へのメッセージやアドバイスをお願いします。

写真:三好 啓一

防水施工の世界は本当に奥が深いので、まずは目の前の仕事に真剣に打ち込み、使用する道具や材料に使い慣れ、一つ一つを理解していってください。

また、実際の現場と試験では少し違う部分もあるので、DVDなどで映像を見て、試験の流れのイメージを持って普段の仕事に取り組むことで、受検時にも落ち着いて臨むことができると思います。

プロの道具~防水施工技能士編

 

櫛鏝(くしごて)(写真左)

櫛鏝(くしごて)(写真左)

防水材を伸ばすときや、厚さを調整するために使用します。三好さんは1ミリ単位にこだわって仕上げたいとの想いから、特注の1ミリくしごてを使用しています。

三好 啓一さんのある日のスケジュール

8:00
朝礼・作業開始
10:00
小休憩
10:20
作業再開
12:00
昼休憩
13:00
作業再開
15:00
小休憩
15:20
作業再開
17:00
作業終了後、片付け
17:30
片付けが終わり現場撤収

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