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Vol.13 一人一人に寄り添った義肢・装具をお届けし、輝く未来を共に作っていく。

義肢製作作業/装具製作作業 鈴木 貞夫さん

義肢・装具製作技能士 1級
義肢製作作業/装具製作作業
(昭和58年度/昭和59年度取得)

鈴木 貞夫さん

1950年生まれ

日本義手足製造株式会社 代表取締役

義肢・装具製作技能士とは

手や足の一部を失った方に対し、その機能や外観を復元するために装着する人工の手足のことを「義肢」と呼び、怪我や病気の治療手段や、障害を持つ方の機能補助を目的として用いられるものを「装具」と呼びます。義肢・装具製作技能士とは、これらの義肢・装具の製作や修理を行うための技能や知識を有する技能士です。

鈴木 貞夫さんのお仕事

鈴木さんは現在の会社に就職後、下腿義足などの義肢や側弯症を治療するコルセットなどの装具の製作に数多く携わられてきました。そうした現場での製作経験を経て、1993年に代表取締役社長に就任され、会社全体の経営や技能の指導などを行っています。

義肢・装具製作のお仕事に就かれた経緯を教えてください。

写真:鈴木 貞夫

祖父が日本義手足製造株式会社の社長をやっており、父もそこで働いていたため、物心ついた頃から義肢・装具製作の仕事は身近にあり、学生の頃にアルバイトとして手伝わせてもらったこともありました。

大学時代には機械や車の生産業に興味を持ち、幅広い分野の勉強をしてきました。大学卒業時にはまだまだ勉強や研究をしたいという思いが強く、大学院に進学し自らの可能性を探していました。

そしていざ就職する際には悩みましたが、曽祖父から代々引き継がれてきた今の会社の重要性と業務の社会的意義を感じ、義肢・装具製作の道に進むことを決めました。

技能士資格の取得までの経緯を教えてください。

写真:鈴木 貞夫

入社して実務経験を積んでいくうちに、義肢・装具製作の業界で働く他の会社の人とも交流する機会が多々ありましたし、現在もあります。そうした機会があると「この業界をもっと良くしていきたい」という話になります。そのためには、1級技能士を増やしていくことがプラスになるだろうと考え、資格取得を目指すようになりました。

当時は義肢・装具製作の専門学校はありませんでしたので、勉強するにあたり国立補装具研究所(義肢や装具を実際に製作している)の研修生や、理学療法士の夜間学校で聴講生という形で学ばせて頂きました。仕事と平行してこれらの勉強が出来たお陰で、義肢製作、補装具製作の1級合格証を頂くことが出来ました。

1級の資格を取得して良かったと思うことを教えてください。

身近に1級技能士がいることは一緒に働く仲間に良い刺激になり、「次は私も級技能士になる!」という向上心を持ってもらえるようになりました。目標にしていた「義肢・装具製作の業界のレベルを上げる」ということにも、貢献できたのではないかなと思います。

お仕事の中で、特に心がけていること・気を配っていることを教えてください。

いつも「誠心誠意」を心懸けています。私たちが今できる最大限の力を発揮して、患者さんや障害者の方により満足して頂けるものをお届けするように努めています。

現在では機械を使って大量生産をすることも可能な時代ではありますが、機械だけに頼らずに、一人一人の患者さんの要望に寄り添ったものを作っていくことを一番大事にして、仕事に取り組んでいます。作業によっては危険な機械も扱っていますので、経験の浅い社員には怪我をしないよう十分注意して作業にあたるように指導しています。

お仕事の中で、大変なこと・苦労することがあれば教えてください。

写真:鈴木 貞夫

毎日作る義足や装具は一つ一つ違っており、最初は難しく感じましたが、「同じものがない」という製作作業は楽しくもありました。しかし、強度や付帯機能を重視すると製品が重くなり過ぎてしまう、仮あわせを何度も繰り返していると完成納期が遅れてしまう等、こちらの熱意だけでは通用しない仕事でもあります。多くの経験を積みかさねていくうちに、自分なりに納得のいくものが作れるようになりました。

また、機械や材料の発達により義肢や装具の性能が良くなったとしても、患者さんによっては使い慣れた昔ながらのものが良いという方もいらっしゃいます。残念ながら、昔ながらの方法で製作できる技能士は減ってきており、何とかその技能も継承していきたいと考えています。

鈴木さんがお仕事の中で「輝いている」と感じる瞬間を教えてください。

写真:鈴木 貞夫

私達が作った義肢や装具を使用された方々に輝いて頂くことが、私にとっても一番の喜びです。最近ですと、小さなお子さんが義足を使うことによって楽しそうに走り回ってくれた時や、「義足のお陰で家内と旅行を楽しむようになりました」と言って頂けた時も、同じように嬉しい気持ちになりました。

私は側弯症という病気に使用する装具製作に長く携わっているのですが、10代の頃に装具治療をされた患者さんが成人され、十数年振りに病院でお見かけすることがあります。その折り、当時を振り返り感謝の言葉を戴けた時などは、今まで仕事を続けてきたことに自負を持てる瞬間です。

義肢・装具製作技能士として大切なことを教えてください。

義肢・装具技能士にとって大切なことは、患者さんや障害者の方に喜んで使用して頂けるものを作ることです。寸法通りに正確で、仕上げのきれいな義肢や装具を作る技術は最低限必要ですが、その上で、使用される方々を思いやる気持ちの部分を決して忘れてはいけないと思っています。

鈴木さんの今後の夢や目標を教えてください。

日本義手足製造株式会社は、曽祖父から代々引き継いで私で4代目となった100年以上の歴史ある会社ですので、この会社をより長く続けられるよう次の世代を育てていきたいと思っています。

将来的にはロボットの性能が上がり、人間のできる仕事が限られてしまうかもしれませんが、これまで私たちが培ってきた「人間にしかできない仕事」は必ずあります。その技能を活かしてこれからも多くの方にハッピーになってもらえるよう努めていきたいです。

最後に、これから義肢・装具製作技能士を目指す人へのメッセージやアドバイスをお願いします。

写真:鈴木 貞夫

これから技能士を目指す方には、設計図通りに作れるといった技能だけでなく、その先にある「使用者一人一人の気持ちまで配慮したもの作り」を目指してほしいと思います。

そして、知識と技能と経験のすべてを伸ばして、立派な義肢・装具製作技能士になっていってほしいと願っております。

プロの道具~義肢・装具製作技能士編

 

短下肢装具の制作中(使われている構成要素と材料)

短下肢装具の制作中(使われている構成要素と材料)

①足板:(ステンレス)
②靴の本底:(EVA)
③足関節の支柱:(軽合金)
④半月:(軽合金)

鈴木 貞夫さんのある日のスケジュール

8:30
始業
12:00
昼休憩
13:00
作業再開
15:00
小休憩
15:15
作業再開
17:00
作業終了・片付けが終わり次第退社

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